【精神疾患向け】障害年金の診断書でチェックすべき13つの項目

社労士
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こんにちは!船井総研の山本です。

普段は障害年金を行う社労士事務所のコンサルティングをしております。

障害年金経営研究会という勉強会を主催しており、今まで700件以上の診断書や申立書の事例を見てきました。

この記事を読まれている方は自分で障害年金を申請している方、社労士に依頼をしている方、もしくはこれから障害年金経を始める社労士・スタッフさんだと思います。

このブログでは、障害年金の情報を発信し、障害年金で困っている方を減らしたい!という想いのもと執筆しています。

 

  • 不備があると申請が通らないというけど、そもそも何が不備がわからない…
  • 診断書に空欄があるけどこれでいいのか不安…
  • この日付って本当にあってる?

と、診断書に関してはわからないことが多いと思います。

 

今回は極力、専門用語を使わずに、日本年金機構が医師向けに提示している、診断書の記載にあたって留意していただきたいポイントをベースにお伝えしたいと思います。

診断書は全部で8種類ありますが、今回は精神疾患用の診断書についてお伝えをしたいと思います。

 

 

医師に障害年金用の診断書を書いてもらった!何をどうすればいい?

診断書はA3サイズの両面です。

手書きでもパソコンでもどっちでも大丈夫ですので安心してください。

私の所感だと手書きが多い印象です。しかも達筆でなかなか読みにくい診断書も結構あります。笑

病院によっては、封筒に入れて糊付けして渡してくれることもあるのですが、開封してOKです。

ちゃんと開封して、診断書を確認していきましょう。

 

 

①欄は、障害の原因となった傷病名

①欄は、障害年金を請求する傷病名・該当する ICD-10 コードを記載されています。

ICD-10は「あいしーでぃーでん」と呼びます。「じゅう」ではないんですね。

 

ICD-10コードとは

「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。
我が国では、統計法(平成19年法律第53号。以下「法」という。)第28条第1項の規定に基づき、法第2条第9項に規定する統計基準として、ICDに準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を告示している。 現在、国内で使用している分類は、ICD-10(2013年版)に準拠しており、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されている。(※厚生労働省より)

 

色々書いていますがICD-10コードというのは、簡単に言うと病気を表すコードになっています。

 

ICD-10コードの分類

分類はこちらです。

この項目の下にある「F20」や、「F〇〇」と病気のコードで載されていることが多いです。

疾病、傷害及び死因の統計分類(基本分類)(ICD-10(2013年版))
分類コード 項目名
F00-F09 症状性を含む器質性精神障害(F00-F09)
F10-F19 精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F10-F19)
F20-F29 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害(F20-F29)
F30-F39 気分[感情]障害(F30-F39)
F40-F48 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害(F40-F48)
F50-F59 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F50-F59)
F60-F69 成人の人格及び行動の障害(F60-F69)
F70-F79 知的障害<精神遅滞>(F70-F79)
F80-F89 心理的発達の障害(F80-F89)
F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)
F99-F99 詳細不明の精神障害(F99)

e-Statより

 

例えば統合失調症だとすると、下記のようにコードがあります。

  • F2 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害
  • F20 統合失調症
  • F21 統合失調症型障害
  • F22 持続性妄想性障害
  • F23 急性一過性精神病性障害
  • F24 感応性妄想性障害
  • F25 統合失調感情障害
  • F28 その他の非器質性精神病性障害
  • F29 詳細不明の非器質性精神病

厚生労働省 第Ⅴ章 精神及び行動の障害(F00-F99)より

 

 

同時期に複数の症状が発症している場合は

①欄はの欄に障害年金を請求する全ての傷病名と該当するICD-10コードが記載されています。

(複数ありすぎると症状混在の扱いになってしまい、不支給になることもありますがここでは長くなるので割愛します)

 

また、ICD-10コードが神経症だと障害年金の認定は難しいといわれています。

(神経症が障害年金の対象外のためですが精神病態を示している場合は例外です)

なので、まずはこの病名とコードが一致するか確認してみてください。

社労士の先生はこの本で確認されている方が多いです。

「ICD‐10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン」詳細はこちら(アマゾンに飛びます)

 

②欄は、傷病の発生した年月日

②欄は、傷病の発生した年月日を記載されています。

例えば、外傷や脳血管疾患による器質性精神障害など、発生年月日が診療録から明らかに確認できる場合は、「診療録で確認」に○印が付きます。

発生年月日を本人等から聴取された場合は同欄右の「本人の申立て」に○印を付した上で聴取日を記載されています。

同時期に複数の症状が発症している場合は①欄に記載した全ての傷病のなかで最も古い傷病の発生年月日が記載されています。

 

 

③欄は、傷病の発生した年月日

③欄は、①の傷病について初めて医師の診療を受けた日になります。

いわゆる「初診日」というものです。

 

日本年金機構が出している記載要領には下記のように記載されています。

貴院(診断書作成医療機関)の初診より前に他の医師が診察している場合で、他院からの紹介状によりその初診日が診療録に転記されているなどの場合は「診療録で確認」に、貴院初診時等に本人等より聴取した初診日を記載する場合は「本人の申立て」に、○印を付してください。

 

簡単に言うと…今の病院の前に、違う病院に行っていた場合

  • 病院の紹介状経由で転院した場合→記載要領に〇
  • 病院の紹介状がない状態で転院した場合→本人の申立てに〇

をつけます。

 

同時期に複数の症状が発症している場合は、

全ての傷病のいずれかについて、初めて医師の診察を受けた日が記載されます。
(「診療録で確認」「本人の申立て」の別は、単独の精神疾患の場合の②欄及び③欄の要領と同様です)

 

 

④欄は、診断書作成医療機関の初診より前から既に有していた障害を記載

障害年金を申請する方が、初診より前から既に有していた障害が記載されています。

精神疾患以外の障害がある場合はここに記載があります。

 

 

⑤欄は、診断書作成医療機関の初診より前に罹患したことのある疾患を記載

ない場合は、「無」であったり「ー」「/」などの斜線があるこもともあります。

※空欄

 

⑥欄は、診断書作成医療機関の初診から診断書を作成する日までの間に傷病が治っ ていればその日を記載

ない場合は、「無」であったり「ー」「/」などの斜線があるこもともあります。

  • 傷病が治った日当時に診断書作成医療機関で直接診察した場合→「確認」に○印
  • 傷病が治った日当時に貴院で直接診察していない場合→「推定」に○印

があります。

 

 

⑦発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容、就学・就労状況等、期間、その他参考となる事項

 

発病からの病歴を聴取した日を、聴取年月日欄に記載されています。

きっちり書いてくれる医師と、ざっくり書いてくれる医師の2パターンがあります。

また、記述に関して、下記のような記載要領のポイントがあります。

 

精神障害の場合

問診により把握できた範囲で、発病するまでの生活歴、発病のきっかけとなった心理的・環境的な要因、発病してから現在までの病歴、治療の経過や内容(薬物の種類、量、期間など)、治療の効果・転帰、さらに就学・就労状況などをできるだけ詳しく記載してください。

だいたいは、上記の画像にあるような文章が多いです。

個人的な感想ですが⑦の欄と病歴状況等申立書は同じことが書いてあることが多いです。(同じ方の症状を表しているので、当たり前といえば当たり前ですが)

この⑦に書ききれない、より細かい詳細を病歴状況等申立書を見て把握する、というイメージです。

 

 

⑧診断書作成医療機関における初診時所見

診断書作成医療機関の初診時の所見をできるだけ詳しく記載されています。

⑧欄の「初診年月日」には、診断書作成医療機関の初診年月日が記載されています。

 

だいたいの医師はカルテを見ながら当時を思い出しながら記入されているようです。

(主治医が変わった場合はカルテが引継ぎ資料になりますので、同じくカルテを確認しています)

 

 

⑨これまでの発育・養育歴等

エ欄について枠が足りない場合は、

「⑬「備考」欄へ記入」もしくは「別紙に記載」します。

 

別紙には

  1. 作成日
  2. 診断書作成医療機関の名称
  3. 所在地
  4. 医師氏名

の記載が必要です。

 

今まで見てきた診断書だとこの枠内で収まっており、別紙は1枚も見たことがないです。

ドクターショッピング(医療機関を次々と、あるいは同時に受診している状況)だとこの欄では足りないかもしれないですね。

 

 

⑩障害の状態(ア 現在の病状又は状態像) (イ 左記の状態について、その程度・症状・処方薬等の具体的記載)

 

ここの項目は「ア」と「イ」の箇所があります。

「ア」欄は現在の病状又は状態像という項目で、医師向けの記載要領には下記のように書いてあります。

ア欄について

○ 「症状性を含む器質性精神障害」(認知症、高次脳機能障害など)で、病状が多岐にわたる場合は、「Ⅶ 知能障害等」の2または3の記載だけでなく、該当する全ての病状又は状態像に○印を付してください。

○ 「てんかん」に合併する精神神経症状や認知障害などがある場合は、「Ⅵ 意識障害・てんかん」のてんかん発作の記載だけでなく、該当する全ての病状又は状態像に○印を付してください。

簡単に言うと、病状が複数ある場合は、該当する項目すべてに〇が付きます。

てんかんとプラスで病気がある場合も、同じく該当する箇所に〇が付きます。

例えば、うつ病とてんかんの方は両方〇があるか確認をしてみてください。

 

 

「イ」欄は左記の状態について、その程度・症状・処方薬等の具体的な記載がされています。

こちらも医師向けの記載要領には下記のように書いてあります。

 

イ欄について

○ ア欄に○印を付した病状又は状態像について、問診による精神医学的所見、病状の程度、処方内容などをできるだけ具体的に記載してください。

○ 在宅で、家族や重度訪問介護等により常時援助を受けて療養している場合は、その療養状況をできるだけ詳しく記載してください。

○ 通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由やそれに代わる他の治療内容について、できるだけ詳しく記載してください。

○ ひきこもりについて、精神障害の病状に起因するものか否かも含め、その状況をできるだけ詳しく記載してください。

○ ア欄の「てんかん発作のタイプ、頻度」に記載した際には、イ欄に、発作を起こした直近の年月日(可能であれば、発作タイプ別に最近数年間のすべての発作年月日)を記載してください。

○ ア欄の「てんかん発作のタイプ、頻度」に記載した際には、イ欄に、発作があることによって日常生活上の活動や行為に生じている制限(自動車の運転、単独外出、入浴、就労など)や、発作間欠期の精神神経症状(抗てんかん薬の服用に起因する精神神経症状も含む。)や認知障害によって生じている日常生活能力の制限内容について、できるだけ具体的に記載してください。

○ ア欄の「Ⅹ 乱用、依存等」に薬物依存について記載した際には、イ欄に、使用薬物名ごとに使用時期(始期及び終期)及び使用頻度(回数あるいは常用)をできるだけ詳しく記載してください。可能であれば、画像検査や血液検査などの検査所見を、⑩障害の状態の「カ 臨床検査」欄に記載してください。

 

 

このような記載ポイントがあり、医師は上記に基づいて診断書を書いてくれます。

診断書を書くのは非常に時間が掛かるようです。

ある精神科医に聞いたのですが、外来受付の時間は患者さんの診察をしているため、診断書を書くのは、外来終了後の夕方以降になるようです。

過去のカルテを引っ張ってきたり、他の病院から紹介された場合は、その記録を見たり…1枚の診断書を書くのも時間がかかるようです。

 

※余談ですが「社労士が作成した日常生活のヒアリングシートが大変参考になる」とお言葉をいただいたこともあるので、今後、社労士向けの記事で記載したいと思います。

 

 

また、上記以外の医師向けの記載要領も記載をしておきます。

イ欄について

○ 現症日における状態のほか、現症日以前1年程度での症状の好転と増悪(あるいは症状の著明な時期と消失する時期)の状況について、通院の頻度や治療内容(薬物治療を行っている場合は、薬の種類、量、期間など、薬物によるもの以外の治療を行っている場合は、具体的な治療内容とその治療を選択した理由など)をできるだけ詳しく記載してください。好転と増悪を繰り返している場合には、その状況を記載してください。

○ 入院している場合、入院の理由及び入院形態(任意、医療保護、措置など)を記載してください。また、病棟内で本人の安全確保などのために常時個別の援助を必要としている場合は、その状況をできるだけ詳しく記載してください。

○ 気分(感情)障害について、標準的な治療を行っても症状が改善していない場合には、その状況を治療内容とともにできるだけ詳しく記載してください。また、重篤なそうやうつの症状が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、その状況をできるだけ詳しく記載してください。

○ 統合失調症について、妄想・幻覚等の陽性症状がある場合は、その具体的内容(本人が訴えている内容など)を、陰性症状(残遺状態)が長期間持続して自己管理能力や役割遂行能力に著しい制限が見られる場合は、その具体的な制限内容について、それぞれの治療内容とともに、できるだけ詳しく記載してください。

 

 

⑩障害の状態(ウ 日常生活状況)

1.家庭及び社会生活についての具体的な状況

(ア)は現在の生活状況

(イ)は全般状況

を表しています。

 

  • 1人で生活している場合→1人で生活している理由や時期について、(イ)欄に記載されています
  • 日常的に家族等から援助を受けている場合→(イ)欄にその内容などを具体的に記載されています
  • 自助グループから日常生活上の支援(援助)を受けている場合→(イ)欄にその支援(援助)
    内容などを具体的記載されています

(イ)欄に書ききれない場合は、⑬備考欄に記入されています。

 

2.日常生活能力判定

※ここの項目が非常に重要で、別途、記事にしておりますのでこちらをご覧ください※

 

⑩障害の状態(エ 現症時の就労状況~キ 福祉サービスの利用状況)

エ.現症時の就労状況

仕事をしている場合はこの(エ)の項目に記入があります。

働いていない方は上記の見本のように「現在は就労していない」などと記載されます。

 

ここで医師向けの記載要領を見てみましょう

この欄は、精神障害者がどのような働き方をしているか(どの程度の援助を受けて就労ができているか)を確認するために、就労に関する情報をできる限り収集することを目的に設けたものです。就労している事実だけで、障害年金の支給決定が判断されることはありません。

 

記載要領に、わざわざ「就労している事実だけで、障害年金の支給決定が判断されることはありません。」と書いてあります。

 

よく「障害年金は働いていたらもらえない」と聞きますが、働いている・働いていないだけでは判断されません。

もっと細かくいうと「働いている」状況でも、

  • 正社員でフルタイムで働いているのか
  • 障害者枠の雇用で、適切な指導員の元で働いているのか
  • 働いていおり一応給与は貰っているけど欠勤が続いている状態なのか

「働いている」という事実だけでは判断できません。

 

障害年金は書類審査で、年金の担当者が職場に来て仕事の様子を見るなんてことはありません。

この診断書に書かれている状況で判断します。ですので、診断書で現在の就労状況をしっかりと伝える必要があります。

 

勤務先「一般企業」だけ〇がしてある場合は、その下に記載されている「雇用形態」、「勤続年数」、「給与」、「仕事内容」、「仕事場での援助の状況や意思疎通の状況」を記載しましょう。

 

エ 現症時の就労状況
○勤務先  ・ 一般企業   ・就労支援施設  ・その他(          )
○雇用体系  ・ 障害者雇用  ・ 一般雇用  ・ 自営 ・ その他(    )
○勤続年数(     年    ヶ月)   ○仕事の頻度(週に・月に (   )日)
○ひと月の給与(        円程度)
○仕事の内容
○仕事場での援助の状況や意思疎通の状況
現在は就労していない。

 

社労士の申請資料では、

一般企業の障害者枠で働いている方の障害年金の申請で

職場の方から、

  • どのような仕事内容に従事してもらっているか
  • 会社はどのようなサポートをしているのか

という意見書を添付していた事例もありました。

会社がしっかりと働きやすい環境を整えて、指導員も付けて、手厚いサポートのもとお仕事をしてもらっています!という内容を伝えていました。

どのような資料を添付したほうがいいかは、その方の状況次第ですので、経験豊富な社労士に相談するのがベストです。

 

そのほかの医師向けの記載要領を見てみましょう。

○ 就労の有無を本人や家族などから聴きとり、できるだけ記入をお願いします。
○ 仕事場の内外を問わず、就労を継続するために受けている日常の援助や配慮の状況も、でき
るだけ記入をお願いします。
○ 現症日以前一年間に病気休暇または休職の期間がある場合は、「仕事場での援助の状況や意
思疎通の状況」欄に、病気休暇や休職の時期(始期及び終期)及び就労復帰後の状況をできる
だけ詳しく記入してください。
○ 現症時に就労していないことを聴取されている場合には、「勤務先」のその他欄に、その旨の
記入をお願いします。

医師は実際に働いている会社に訪問したり、会社に電話を掛けて事実確認をするということはほぼないです。(稀にそのような医師がいるかもしれませんが)

基本的には、診察時にご本人かご家族の話した内容から診断書を書いてくれます。

就労の話をしていなかったら、「医師は働いていない」と認識して、未記入のこともあるかもしれないですね。

 

右が(オ)の身体所見、(カ)臨床検査、(キ)が福祉サービスの利用状況です。

(オ)の欄は下記です。

【オ 身体所見】
○ 精神疾患に伴う神経学的な所見のほか、アルコールや薬物等の精神作用物質の乱用・依存が
見られる患者の場合は、精神病性障害を示さない急性中毒かどうか、あるいは明らかな身体依
存が見られるかどうかをできるだけ詳しく記載してください。

簡単な例えで言うと、アルコール依存症による影響で身体の震えがある場合等はここに記載があります。

 

(カ)の欄は下記です。

【カ 臨床検査】
○ 現症日以前3か月以内に実施した検査の結果を、検査日とともに記載してください。現症日
以前3か月よりも前に実施した臨床検査のみの場合には、当該検査結果を検査日とともに記載
してください。
カの記入欄では書ききれない場合は、別紙として、検査結果写しの添付をお願いいたします。
別紙を添付する場合は、別紙の作成日や貴院(診断書作成医療機関)の名称・所在地及び医師
氏名の記入を必ずお願いいたします。

○知的障害及び発達障害の場合は、知能指数及び精神年齢を検査日や検査名とあわせて必ず記入
してください。(療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳を取得している場合は、等級及び交付
年月日についても、記入してください。)

○「症状性を含む器質性精神障害」(認知症、高次脳機能障害など)あるいは他の精神の障害の状
態について参考となる神経心理学検査(ミニメンタルステート検査や改訂版長谷川式簡易知能
評価スケールなど)や画像検査を実施している場合は、別紙として、その検査結果写しの添付
をお願いいたします。
別紙を添付する場合は、検査した医療機関や検査日がわかるように作成してください。また、
別紙の作成日や診断書作成医療機関(又は検査した医療機関)の名称・所在地および医師氏名
の記入を、その別紙にも必ずお願いいたします。

 

(キ)欄は下記です。

【キ 福祉サービスの利用状況】
○ 問診で聴取できた範囲で、障害者総合支援法による福祉サービスの利用状況(サービスの種
類や内容、頻度など)をなるべく詳しく記載してください。
○ 専門機関による発達支援、発達障害者自立訓練等の支援を受けている場合は、キ欄にできる
だけ詳しく記載してください。

サービスの利用状況が記載されています。

 

⑪現症時の日常生活活動能力及び労働能力

  •  現症時において日常生活がどのような状況であるのか
  • どの程度の労働ができるのか(実際の就労の有無ではありません)

などをできるだけ具体的に記載されています。

医師向けの記載要領だと下記のように記載されています。

⑩エ「現症時の就労状況」欄に記載された就労の影響により、就労以外の場面での日常生活
能力が著しく低下していると考えられる場合には、その日常生活活動の状況をできるだけ詳し
く記載してください。
○ ひきこもりについては、精神障害の病状に起因するものか否かも含め、その状況をできるだ
け詳しく記載してください。

 

⑫予後

その方の今後の見通しについて記載されています。

私が見てきた診断書ですと、「不詳」や「就労は困難だと思われる」など記載されているのが多い気がします。(所感なので)

医師向けの記載要領だと下記のように記載されています。

特に統合失調症や気分(感情)障害では、十分な期間の治療を経たうえでの予後を記入してください。

上記のことから、今すぐの状態からの判断ではなく、治療をした上での今後が記載されます。

 

⑬備考

医師向けの記載要領だと下記のように記載されています。

①「障害の原因となった傷病名」欄に神経症圏(ICD-10 コードが F4)の傷病名を記入した場合であっても、「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」または「気分(感情)障害」の病態を示しているときは、その病態と ICD-10 コードを記入してください。

でてきましたね!神経症でも精神病態を示している場合はICD-10コードの記入があります。

 

そのほかには、このような記載があります。

○ 日常生活の状態(制限の度合い)について①~⑫欄までに書ききれないことや参考になる事柄を記入してください。

○ 継続的治療が必要な疾患にもかかわらず、診断書作成を依頼する目的以外では来院していない場合は、問診により把握できた範囲で、未受診の背景(例えば、民間療法を行っていた等)について記入してください。

過去の通院がなく、診断書の依頼のために診察に来た方は未受診の理由が記載されていることもあります。精神疾患だとないかもしれないですが、知的障害だとあるかもしれないですね。(そもそも服薬による治療を必要としていない等)

 

 

さいごに

今回は日本年金機構が医師向けに出している「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領 」の内容をお伝えしました。

この記事には私の意見も含まれています。(見てきた診断書だとこうだった等)

障害年金の申請は一人ひとり異なるものですので、診断書の内容はすべて同じにはなりません。

医師の判断に基づいて作成されているものなので、診断書の内容に不明点がある場合は、直接医師に確認をしてみてください。

例えば、働いていないのに働いていると事実と異なることが記載されていたら、障害年金の受給に対して適切な判断ができませんよね。

「事実と異なること」というのは、医師はすべてを把握している神様ではありません。しっかり患者さんから病状を伝える必要があります。

 

申請に関して不安な場合は、経験豊富な障害年金社労士か、日本年金機構の窓口に相談してみてください。

適切な診断書で適切な障害年金の等級が決定することを祈っております!

以上です。ここまでありがとうございました!

 

 

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